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逃げ出したっていいじゃない

Alexey Ruban

アウトドアの醍醐味は日常のリプレイス
火起こしスキルの幅を広げてみる

に公開して、2020/06/22に加筆修正したOutdoorの記事

こんにちは。
シイノキ(@info_misatopic)です。

趣味でキャンプとかするんですが、アウトドアの醍醐味って日常のリプレイス(置き換え)だと思ってるんです。
個人的な感覚なので、万人の方に共感してもらえるかわからないですが。

わかりやすいとこで言うと
なんでかわからんけど外で食べるとなんでもおいしいよね!
ってやつですね。
外で聴く音楽も、いつもと違う発見や楽しみがあるし、プロジェクターを使って外で見る映像なんかもいいですよね。
なので、アウトドアにマンネリを感じ始めたときに、家でやってたアレを外でやってみよう!みたいな対策をすると、またいつもと違うアウトドアが楽しめるのでオススメです。

あとは、もう少し範囲を広げて。
たとえば、食事に使う食器を現地調達するとか。箸を削り出して作ったり、スプーンやお皿を作っても楽しい。
コットを使うのをやめて、枯葉を詰めた袋のベッドなんかを作ってみてもいいですよね。
で、今回の記事のテーマもこういったリプレイスの一種で。
キャンプで使う火を起こす手段を増やしてみました。

チャークロス(炭化させた布)を自作して、火打ち石での着火を試してみた

みなさん、火おこしってどうしてます?
市販の着火剤を使ったり、最近はファイヤースターター(マグネシウム棒)で火を付ける人も多いと思います。
我が家もファイヤースターターメインで、手抜きするときはバーナーを使ったりしてます。
ファイヤースターターの記事は下記リンクで。

LIBERTAのウッドストーブと火打ち石で、ガスや電気に頼らない着火スキルを身につけました

最近、huluでサバイバル番組にハマってまして(今度別記事書こ)。
その番組中で、湿度の高い森の中で火をおこしやすくする為に、出演者のひとりが杉の葉を使って炭を作るシーンがあったんです。
それを見るまで、『炭をDIYする』という選択肢がなかったもんだから、感動してしまって。
こんなに簡単に物を炭化出来るんなら、ヒロシ氏がYouTubeとかで使ってるチャークロス(炭化布)とかも簡単に作れるんじゃ?と思い、いろいろ調べたら多くの人が作っていたのです。
そうなると、やってみたくなるのが心情ってものです。居ても立っても居られなくなった。

材料は密閉可能な缶と布

必要な材料は、密閉可能な缶(スチール)と布。
缶は、例えばクッキーやなんかが入っていた缶とか、コーヒーの缶なんかでもOK。
布は綿100%の布であれば、古くなったTシャツやエコバッグとかを使えば材料費0円でいけます。

今回はDAISOで買ってきた灰皿と生地。

この部分はいらないので、倉庫のいらないもの箱に突っ込んでおきました。
いずれなにかに使うかも。

綿100%の布地は5cm角くらいに切って缶に詰めました。

で、缶の蓋には穴を開けておきます。
この穴をあけないと、缶の中で発生したガスや膨張した空気で蓋が吹っ飛びます。

簡単な仕組み説明

作り方がわかっても理屈がわからないと失敗の可能性があがります。
なので、さくっと概念だけ。
でも、絵は間違ってる可能性が高いよ!

物が燃える『燃焼』というのは、可燃物が熱を発生しながら酸素と激しく結合する時に起こる現象。
むかーし理科の実験で酸素濃度あげた試験管内でマグネシウムを燃やす実験とかやりましたね。
『燃焼』したあとに残るのは、灰。

炭を作る『炭化』とは、可燃物を酸素と結合させずに加熱すると起こる現象。
可燃物が持っている炭素以外の物をガス化させて放出させるのです。
『炭化』のあとに残るのは、炭素の塊、つまり炭ってわけです。

生地を詰めた缶をガスコンロで加熱する

生地を詰め込んだ缶をガスコンロで加熱していきます。
作り方はぶっちゃけ↑これだけ。

すると、開けた穴から煙(ガス)が勢いよく吹き出します。
この煙、可燃性で刺激臭がすごいので外でやりましょうね。
黒い液体のようなものは、ガスが冷えてオイル化しているもの。結果から言うと、この日のチャークロス作りは4割成功で6割失敗。
どうも温度が低かった様子。

頃合いを見て火からおろし、木の枝などで穴を塞ぎます。
穴を塞がないと、ここから缶の中に酸素が入っていって、『燃焼』が起きて布が燃え尽きてしまいます。
炭ではなく、真っ白な灰になってしまう。

トラブル発生で失敗

で、この日出来上がったのがコレ。
半分以上炭化していますが、白い部分やまだ布状態の部分が多いです。
実は、飼っていたハムスターが小屋の中で死んでしまっていることに気がついて、火を止めてしまったのです。
悲しみに暮れる長女をハグして慰めました。

ハムの喪失感は俺も大きい。
すげぇかわいかった。

後日試してみると、一応火はついた

後日、作成したチャークロスにマグネシウム棒で着火テストしてみることに。

一応火はつきました。
こんな感じで、火花が飛んだ場所からジワジワと発熱する布を作ることが出来ました。

リベンジ&他素材で実験

後日リベンジを行いました。
普通にリベンジしても面白くないので、自然素材でも炭作成をしてみることに。
公園でいろいろ探してみたんですが、時期的に拾えるものがあまり多くなく。

端切れのTシャツと、木の葉を缶に詰めました。

今回は、反省を活かして火力の強い焚き火にぶっこみました。
ガスの出方が前回よりも激しい。

葉っぱの形の炭が出来た。
ドングリなどもしっかり炭に。大きめの缶でしっかり作って形を保てばアートっぽくなりそう。
消臭剤としてトイレに置いたりしてもいいかも。
このあと着火テストしてみましたが、木の葉っぱは脆くて着火には不向きでした。
杉の葉など、燃えやすい素材で作ると良いかもしれない。秋にやってみよう。

チャークロスも今回は完璧!

この日のために火打ち石と火打金を購入

マグネシウム棒で着火するのはつまらないので、この日のために火打ち石&火打金を買いました。
1500円くらい。
この箱はチャークロス制作に使ってくれよ!少しくらい凹んでても問題ないぜ!的なことが書かれてますね。
たぶん。

中にはチャークロス用の幌布と火吹き棒、火打ち石、火打金が入ってました。
これだけ入って1500円は安いですよね。
記事最下部にリンク張っておきます。

火打金はメリケンサックみたいに持てる。

実際に火をおこしてみる

完成したチャークロスと火打石を左手に持って、火打金を打ち付けます。
すると、飛び散った小さな火花がチャークロスに引火。

ジワジワと赤く発熱をするので、火口(ほぐち)でチャークロスを包み込み、そこに酸素を送り込みます。
今回はほぐした麻紐を使いましたが、アウトドアの現場では杉の葉とか燃えやすい自然素材を使うのがいいですね。

作ったチャークロスで実際に火をおこすことに成功しました。
達成感がやべぇ。クソ楽しい。

チャークロスはビニール袋に入れて保存しました。空気を抜いて湿気対策も忘れずに。

これで俺はどこでも好きな時に火をおこすことが出来る

火おこしグッズはこうやって缶の中に入れて車に積んでおくもよし。
火打金と少量のチャークロスだけを財布に入れて運ぶもよし。
これで、俺の火おこしスキルはファイヤースターターと火打ち金の2つになりました。火打ち石は硬い石であればなんでもOK。

チャークロスは綿100%の布さえあれば作れるし、きっかけになったTV番組のように杉の葉などを炭化させてもいい。
その場その場で揃えられる材料で、火おこしの選択肢が出来た。

2011の震災後に思ったんですよね。
なんの知恵もスキルももたない状態で文明から放り出された時の自分の無力さってすごいなと。

火打金は代用も出来ます。
火打ち石は石英とか硬い石で代用出来ます。
アレとアレとアレがあれば火をおこせるなっていうのが経験値として身についたというのは、人間として少し強くなった気がするんですよね。

冒頭にも書きましたが、アウトドアは日常のリプレイスが醍醐味。
自分の知恵と経験を、着火剤とライターによる着火と置き換えることが出来るようになりました。

今後、子どもたちの身にも何が起こるかわからないので、長女にも体験させてみたりしてます。
BBQで火おこしに苦戦する男子に
「ちょっとどいて、やるよ。」
って言えるかっこいい女子に育って欲しいなと思ってます(モテなさそう)。

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シイノキきりもみ式の火おこしも最近やらせてもらったのだけど、あれをやるには人間側の性能が足りない。

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