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逃げ出したっていいじゃない

Alexey Ruban

誰かが遺した紫陽花を挿し木で増やして次世代に継ぐプロジェクト2023

に公開して、2023/08/21に加筆修正したDIYの記事

こんにちは。
シイノキ(@info_misatopic)です。

父の仕事場の裏に、毎年人知れず咲く紫陽花がある。
こいつがまた綺麗なピンクよりの紫で色鮮やか。
紫陽花は酸性=青、中性=紫、アルカリ性=赤と、土壌の酸性度で色を変えるらしい。
この紫陽花が咲く土は中性とアルカリ性の間らへんってことなのかしら。

この土地には先祖代々が暮らしていて。
祖父母が植えたのか、曾祖父母が植えたのか、それとももっと前の人が植えたのか。
紫陽花の寿命は数十年らしいので婆ちゃんあたりが犯人なのかな。
発見以来、こんな狭い場所で誰にも見られずに置いておくのは勿体ないなー、植え替えとか出来ないのかなーと思っていたところ、紫陽花は挿し木で増えるという話を聞いた。

先祖が植えた紫陽花を増やして人の目に触れさせる。
娘たちと一緒にやれば父親と生きた証、先祖が生きた証のひとつになるんじゃないかとチャレンジしてみることにしてみた。
何者にもなれなかったからさ。世界の端っこにぶら下がりたいじゃないか。

人の目に触れなかった庭の紫陽花を挿し木で増やすチャレンジ2023夏

ほんとね、綺麗なんですよコイツ。
ただ、庭の端の裏なので俺しか覗きに行かない。不憫。

こちらは実家のおかんが植えたであろうアジサイ。
額縁のような装飾花からガクアジサイと呼ばれてるらしい。
こいつも増やしてみよう。

用意したのは
・バケツ
・剪定ばさみ
・鹿沼土
・ポット
・拾い集めた石
実行日は6月24日。

石でポットの穴を塞いで、鹿沼土を入れた。
鹿沼土がなんなのかは知らない。なんか、変わった土。

今年花をつけなかった元気そうな枝を選んで剪定してみた。
30分くらい水につけてやるらしい。

で、切った枝をこんな感じに加工。
葉を半分に切るのは水分の蒸散を防ぐ目的らしい。

全部加工した。
これでほんとに増えるんか…
真ん中の棒は、ガクアジサイと庭の端の紫陽花をわけるために浮かべてみた。
ただ、もうどっちがどっちだかは覚えていない。

こいつらを、鹿沼土を入れたポットに挿す。
あとは毎日たっぷり水をあげ続けるだけらしい。

三輪ほど、ダイニングテーブルに切り花してみた。
こいつは二週間くらい綺麗に咲き続けてくれた。

7月に入ると、新芽が出てきた

7月5日。
枯れずに生きているということは順調なのか。
よく見ると新芽が生えてきている。

7月19日
新芽が成長し、一部のポットは葉がモサモサしはじめた。

7月下旬、鉢に植え替える

そろそろ鉢上げの時期ということで、ポットから丁寧に取り出した挿し木。
無事に発根している!こいつらが一番元気。

大半がこれくらいの発根具合

新芽が成長していても発根していないやつもいた。
ホームセンターで買ってきた培養土に鉢上げした。

8月下旬

そして最新の紫陽花の状態。
一部は枯れてしまったものの、元気にスクスクと育っている。
落葉する12月から3月に地植えするらしいのだけど、このまま2024年の冬までポットで育てた方が良い説などもネットにはあった。
冬に半分を地植えして、もう半分は来年の冬に地植えしてみよう。

娘たちの反応

「いつかパパがくたばっても、毎年咲く紫陽花を見て思い出しておくれよ」

そんな勧誘で一緒に挿し木作業をしてみたものの。
まぁピンとくるわけもなく、それほど熱心には手伝ってくれなかった。当たり前か。

50歳が目の前に見えてきて、人生の終わりの背中が視界の先で存在感を増してきた。
祖父母はすでに他界している。
庭のあちこちに、祖父母が思い思いに残した痕跡がある。
オヤジとオカンも同じ。
どんな時に、どんな気持ちで何を遺したのか、たまーに眺めながら考える。

永六輔さんが「人間は二度死ぬ」って言ってた。
死んだ時と、忘れられた時。
たぶん婆ちゃんが植えた紫陽花、オカンが植えた紫陽花。
それを俺が増やした紫陽花。

毎年盆になると、墓参りついでに故人の話が出るじゃないですか。
あの人はああだった、この人はこうだった。
俺は毎年ちょっとだけムカついてるんです。その人がどうだったかなんて、わからんし、知らん。
わからん前提で思い出してあげたい。

この紫陽花を増やした2023年の夏、自分がどうだったのか、父が何を思っていたのか、母が何をしていたのか。
(ちなみに妻みさ子は我関せずで家の中にいた)
たまーに考えてくれたらいいなぁ。

娘らがどう扱っていくかは分からないけど、このまま元気に庭に継いでいってみる。

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シイノキただの野良紫陽花だったら笑う

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