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逃げ出したっていいじゃない

Alexey Ruban

40歳になった僕が新しい音楽『MOROHA』に出会って衝動に駆られた話

に公開して、2019/06/05に加筆修正したColumnの記事

こんにちは。
シイノキ(@info_misatopic)です。

中学生の頃から趣味でギターをやっています。
当時は寝る間も惜しんで弾いていたりはしたものの、最近は子どもの好きな曲とかジブリとかをコード弾きしたり、ソロギターアレンジで弾いてみたり、すっかり遊び道具のひとつになっています。
音楽への興味も昔ほどの積極性もなく、ダウンロード販売が主流になってからはジャケ買い(ジャケットデザインで衝動買い)なんていう文化も自分の中からは消えてしまいました。

世の大半の40代と同じように、ランキングを見てもチンプンカンプン。

あと、楽器やってたせいもあるんですかね。
『ジャリ(年下)の音楽なんて真顔で聴けるかよ』
みたいなとこがないというと嘘になります。

音楽を聴いていいなと思うと、気持ちが高揚したり、揺さぶられるじゃないですか。自分よりも若い子の音楽で、ソレが起こることに対して謎の抵抗って出てくるもので。
なんとも、アホらしい話です。年下に心が動かされることに抵抗を覚えるなんて、なりたくなかった大人そのもの

先日、MOROHAというデュオに出会いました(YouTubeで)。
決して若いグループではないんですが(30歳前半)、文字通り心を揺さぶられて魂がグワングワンさせられてしまったので、主に同世代の方にご紹介したいです。
2010年にメジャーデビューしているので、知ったのは遅いくらいかな。

アコギ一本と強いメッセージをぶん投げてくる『MOROHA』に40歳のオジサンが心動かされた

まずは先入観ナシで聴いてほしいです。
MOROHAの『革命』で、上が公式、下がファン作成のMV。
出来れば、夜、風呂に入ってから寝る前に見るといいかもしれない。忙しい昼間の時間帯にはオススメ出来ないです。

MOROHAのジャンルはラップにあたるんだそうです。
最初にラップだと知っていたら再生しなかったかもしれないですが、美しくシンプルで印象的なギターのメロディーと講談にも似た語り口調のリリック。
同世代には三代目魚武濱田成夫と言えば伝わるでしょうか。似ているような、似ていないような。
聴いた印象だとラップというイメージは抱かなかった。

大ぶりの右ストレートしか打ってこない不器用なボクサーのような、魂をギュンギュンにこめた言葉をボーカルのアフロ氏が投げつけてきます。
ある意味ロックで暴力的。
それなのに、後ろで流れているUK氏のギターがほんとに綺麗で優しいし哀しい。

公式MVの聴衆がそうであるように、マジマジと睨みつけながら対峙して聴いているうちに、んぬぁーーーー!!という懐かしい謎の衝動。

MVを手がけたエリザベス宮地監督の元カノとの実際の映像で綴る『バラ色の日々』

『バラ色の日々』は失恋ソング。
シイノキは 直球の恋の歌ってのが大の苦手で。好きだよ会いたいよっていう言葉の語彙力というかなんというか。
「こんな失恋ソング作ってみました」というような聞かせるために整えたモノのような印象を受けて薄っぺらく聞こえてしまうのです。

この『バラ色の日々』。
MVの監督をしたエリザベス宮地さんが実際に2年間付き合っていた元カノさんとの本物の思い出の映像と写真で構成されています。

映像の生々しさと、MOROHAの主観的な歌詞。

来世で会えたらまた恋をしよう
いや今世でもう一度しよう
無理か ならせめて 幸せになろう
涙が止まらん なんて嘘だよ
明日になれば普通に仕事に行くんだ
忘れられないなんて嘘だよ 時間が経てば薄れていく

好きな人との別れを経験した人なら絶対に響くと思います。
生活感のある散らかった部屋と、日当たりが良いとは言えない部屋窓からさしこむ朝の光とかクッソリアルで。リアルもなにも実際の映像だから当たり前なんですけど。

あなた以外はなんて嘘だよ
いつかは新たな温もりに触れる
必ず互いが幸せになれる
ただ それが悲しくて今 泣いてる

ラストのここで、オジサン涙出てました。
プライベートな映像や写真を使用する決断をした監督さんと、それを許可した元カノさん。
当時から映像作家さんだった監督さんの仕事を応援するために使用することを許可したのかなとか、だとしたら別れてもなんて素敵な関係を築けてるんだろうと考えたり、ただただ単純に一組のカップルの物語の結末を目にした感情のアウトプットであったり。

ただしかし、このMOROHA。
聴く側にもそれなりのエネルギーが要るのでBGMには向かないし、聴く時はどっしり覚悟をして聴かないとMOROHAのエネルギーにあてられる。
やっぱり、聴く時は夜、しっかりと言葉を受け止めて聴きたい。

知ったきっかけはTwitterだった

ある日、いいねを頂いたアカウント、『スプラッたん』が知ったきっかけでした。
これきっかけで色々聞かせてもらってるんですが、なんかいいですね。
年齢に関わらず、心揺さぶられる音楽に出会えるのだということを再確認しました。スプラッたんありがとう。

しかも、後から知ったんですが、MOROHAのギタリストのUKさん、シイノキと同じ熱心なhideファンで。
トリビュートにも参加されてたんですね。知らんかった。

まじ娘の『心做し』も良かった

スプラッたんツイートシリーズだと、まじ娘の『心做し』も良かったです。
こういうむき出し系のパンチ力あるヤツ好きなんですよね。音楽って不満とか怒りとか悲しみとか歓びとか、感情の表現手段だと思うので耳障りの良いジャンルよりもうるさいくらいむき出しでぶつかってくる系統が好き。

『捨てたもんじゃない』

若造が何を言っているんだと思われるかもしれないんですが、40歳になり、まぁ人並みの経験と家庭や子を持ったりすると、日常を過ごすうえで、ある程度のことは想定内に収まって、少しづつ無感動になっていく感覚があると思うんです。大人って。
ゆっくりと閉じていくアンデンティティと言うか。
未経験のことや驚きなんていうものが世界に満ち溢れているのは承知の上なんですが、それを好きになれるか、心が動くのかっていうのはまた別の話で。

なにかに心を動かされて好きになるっていうのは、それを好きになった自分を好きになるということだというのを最近テレビで誰かが言ってました。
不感症になってたわけじゃないな、なったつもりでいただけだな、自分にも奮い立てる部分がまだまだあるんだな、捨てたもんじゃないじゃないか!っていう気持ちが湧いてきました。
こういう、自分を自分で認めてやれる自己肯定感は生きるうえでとても大切だと思います。

日常的に好きなものを探るクセ、つけておきたいですね。
MOROHAさん、CD買います。

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シイノキ

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