dropout!

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逃げ出したっていいじゃない

Alexey Ruban

【鼻中隔弯曲症&副鼻腔炎で入院&手術】真の戦いは術後だった(3日目〜4日目) #5

に公開して、2019/02/23に加筆修正したColumnの記事

こんにちは。
人生初手術を乗り越えたシイノキ(@info_misatopic)です。
副鼻腔炎・鼻中隔湾曲症の手術に至った経緯は下記リンクにまとまっているので、もしご興味あればご参考までに一読いただけると幸いです。

副鼻腔炎シリーズ|dropout! -いらんことから逃げ出して日々を楽しむブログ – DIYとアウトドア、日々の暮らしとその道具

手術前、慢性的に続いていた圧迫感と頭痛がつらくて、
「手術してコレが治るんなら早く手術してしまいたい!」
と言っていた手術がついに終わりました。手術自体は全身麻酔で問題なく終了。
本当の戦いは術後でした。

副鼻腔炎・鼻中隔湾曲症の手術は終わったあとが真の戦いだった

3日目の朝、目が覚めると喉と口の中がカラッカラでした。
鼻腔内に綿、鼻の穴には球状の綿がパンパンに詰められているので、鼻呼吸が完全に機能していないため、就寝中ずっと口呼吸をしていたからだと思われます。
どれくらいカラッカラかというと、上顎に張り付いた舌が動かないくらいにカラッカラ。

お水やお茶などの水分を摂る許可が出ていたのを思い出し、冷蔵庫に用意しておいたお茶を取り出しました。
が、うまく飲めないんですよね。
人間って、飲み物を飲む時にわずかに鼻から息を出してるんだという事に気が付きました。
さっき書いた通り、僕の鼻は完全に塞がれているので、お茶を飲もうと思っても少量しか飲み込めないんです。あまり一気に飲もうとするとブファ!っつって溺れるんです。
参ったなこれは……と天井を見つめて時間が過ぎるのを待ちました。

鼻腔内に詰められた綿は血液などの水分を吸うと溶けて喉に落ちてくるらしい。
それは飲み込んではいけないらしく、吐き出してくれと言われた。
昔は溶ける綿などではなく、術後に器具で取り出していたんだそうだけど、これがまた激痛だったらしい。

朝食はほぼ液体

朝食が運ばれてきました。手術日は絶食だったので、一日ぶりの食事。
ただ、メニューは味噌汁・おかゆ・柔らかめのたまご焼きと魚。
鼻が塞がれているので、ほぼ味はしません。話には聞いていたけど、これほどまでに液体中心とは。
食欲がそんなにないのが唯一の救い。

痛みがひどいので痛み止めを求めたのだが…

手術をしたのは左側の鼻腔。
なのだけど、この日ずっと痛かったのは右の鼻。結構鋭い痛みがずっと続いている感じで、Macで動画を見ていても気が晴れない。
あと、なぜか歯が痛いんです。上の歯全部。副鼻腔は歯の神経が近いので、ここをいじると歯の神経が刺激されるので、脳は歯が痛いと誤認識するんだそうです。人体って不思議。
「痛かったら我慢せずに呼んでくださいね。痛み止め持ってくるので。」
と看護師さんに言われていたので、
「ずいばぜん、いだいのでいだみどべください。」
っつって痛み止めをオーダー。

しかし、待てど暮らせど、痛み止めが来ない。
熱と血圧を測りに来た別の看護師さんが、
「痛くないですか?痛かったら痛み止め持ってきますからね。」
とさきほどと同じ事を言うので、言いたいことは沢山あったのだけど
「あ、あい。ほじいでず。いだびどめ。」
と再オーダー。

痛み止めは来ず、昼飯が来た

いつの間にか半日が過ぎた。昼飯が運ばれてきた。
鮭だ。固形物が来た。普段は焼き魚はあまり食さないのだけれど、この時は嬉しかった。
ただ、ご飯はまだまだベチョベチョ。
全身麻酔をすると、腸の働きが弱くなるので、消化機能が低下するんだそうです。

この液体ですら、飲み込むのがなかなか厳しい。
食事を完遂するのにどえらい時間がかかる。でも、一日ぶりの固形物がおいしい気がする。

いや、違う。
俺が欲しいのは痛み止め!!

昨夜、お向かいのオジサンが
「あんたたち、引き継ぎとかしてるの?お願いした事、全然通ってないんだけど。」
と怒っていたのが理解出来た。
その時は、まぁまぁおじさん落ち着けよって思ってた。

でもね、思うんですよ。
こういう時、俺がもっと個性派バリバリのモヒカンインパクト野郎だったら
『○○号室のモヒカンが痛み止めくれって言ってたよ』
『あ、あのモヒカンね!』

ってなると思うんですよね。
ところがどっこい、俺ってばそれほどインパクトもないし主張もない人間なので、印象値が低いんですよ。きっと。
かと言って、「悪いのは全部俺さ」って思ってるわけではないんですけどね。
生まれながらにして印象値の高いインパクト野郎が羨ましい。
退院したら筋トレしてパーマかけようって思った。

どんなパーマかけたら、みんな俺のこと覚えてくれるかな。まずは金髪かな。
って思ってたら、やっと痛み止めが来た。
でも、怒ってないよ。看護師さん、みんな可愛かったからね。

球状の綿の交換はセルフ

両鼻に詰められた球状の綿。
これは施術痕からの出血をとめるためにいれているのだけど、10分もすると血液でヒタヒタ。
なので、自ら外して新品を詰めるのだけど、抜く時も入れる時も痛い。

両鼻に詰めているのだけど、赤く染まるのはやっぱり手術をした左だけなんですね。
右は血というよりも鼻水の方が多い。

オカンと叔母が見舞いに来てくれた

午後になると、オカンと叔母が見舞いに来てくれた。
病室にいると気も滅入るだろってんで、院内にあるローソンに買い物に行った。何を思ったのかチョコレートを買ったのだけど、これが当然甘い。
口の中が甘ったるいからお茶やコーヒーをガブっと飲みたくなるのだけど、まだ全然飲めない。
なんて見通しの甘い男なんだ。
インパクトもない、見通しも甘い、性格もヒネ曲がってる。
病は心を折る。

夕飯が来た

それっぽい夕飯が来た。フルーツらしきものもついてる。
そして米が普通の米だ!
ただ、やはりどれも味がしない。フルーツも、甘さは認識出来るのだけど甘さ以外が認識出来ない。
なので、なんのフルーツかがわからない。

明日の退院前の処置に救いを求める

この日は朝からずっと、この紙切れを眺めていました。
『当日、鼻の処置をしてから退院となります』
この一文が希望だったのです。きっと、この処置をしたら、この息苦しさから解放されるはず。
これは具体的に何時なんだろう。いつ解放されるんだろう。そんなことをずっと考えてたよ。

もう寝よう。寝て起きたら、きっと処置をしてもらえる。
そんで、鬱陶しいこいつも外してもらえるはずだ。

退院の日の朝がやってきた。
解放はされるのか…。

朝起きると、3日目の朝よりも口の喉のカラッカラ加減が強かった。
この日もがぶ飲みは出来ないので、ペットボトルの蓋一杯分くらいの量のお茶を少しづつ流し込む。
鼻の痛みは相変わらず強い。3日目の鋭い痛みよりも、今度は鼻中隔湾曲の矯正から来ているっぽい鈍痛が強い。

退院の日の朝食はパンだった。
メニューは自分で選べたのだけど、これもミスチョイス。
もっちりとした食感のパンではあったものの、口の中の水分が持って行かれる。

点滴から解放された。
ひっかけてしまうのを気遣う必要がなくなった。

待望の鼻の処置!通るか鼻!

処置室に呼ばれた。
球状の綿を外すと、右の鼻に細長い器具を挿入された。ズズーーーー!と吸引をすると、奥の方から半溶解した綿が取り出された。
なんていうんだろう。真っ赤なマテ貝の身みたいな。
溶ける綿とは聞いていたけど、液体になって消える綿というよりは、粘液状になって流れ出やすいようになる綿っていう印象だった。
「これがまだ一杯詰まってるから。退院後も喉に落ちてきたり、自分でやる鼻洗浄で流しだしていきましょう。」
ということだった。そら顔面が圧迫感されてるわ。

ずっと待ち焦がれていた鼻呼吸だったけど、パーセンテージで言うと100%ふさがっていた鼻が90%になった程度。
鼻呼吸はどうにか出来るようになったものの、無理に鼻呼吸をすると、鼻に負担がかかって痛みがニャー!!ってなる。
優しく、スー……ズズズズズッって感じ。期待はずれだった。

「先生、あの、鼻の中に固形物のような違和感があるんですけど、なんですか?」
と気になっていたことを聞いたら
「あ、それね。シリコンプレートが入ってるんです。骨を矯正するための。糸で縫い付けてあるから引っ張ったりしないでね。」
ということらしく、ずっと感じていた違和感の正体が判明した。
そうか。。。縫い付けてあるんか。。。そらいてぇわ。

精算が終わって退院
気になる手術費用は?

すべての精算が終わるまで相当待った。
2時間くらいかな。やっと帰れる。あばよ病室。あと30年は世話になるつもりはないぞ。
そして、会計。気になる今回の手術費用は……

200,390円。
思っていたよりも安い!いや、安くはないけども。高額医療費制度を使えば、もうちょい負担は軽くなる。
一ヶ月か二ヶ月後、
「この値段で楽になるんだからやったほうがいいよ!」
って人に言えたらいいなぁ。

奥さんの迎えに行く詐欺にあう

帰りは家まで電車。
鼻に綿球、その上にマスク。そして4日間寝て過ごして落ちた体力は、少しの距離を歩いただけでゼェハァする。
ニット帽+マスク+荒い呼吸。事案だ。

幸い、最寄り駅まで帰れば奥さんが車で迎えに来てくれるという。
なので、頑張った。頑張って最寄り駅まで帰った。
すると、
「やっぱ、ちょっと忙しいから無理」
と冷たい宣告。普段から奥さんに優しくしていないとこういう目に合うのかと。
入院日と手術日も来てくれるかどうか怪しいなと思っていたのに来てくれていたのが最大限の優しさだったか。

たまたまLINEでやりとりをしていた嫁との共通の知人に事の顛末を話すと
「うちの嫁なんか、退院の帰り道しんどいから迎えに来てくれって言ったら電車で来ましたよ。」
というエピソードを教えてくれて鼻から綿球飛び出た。

最寄り駅からバスに乗り、バス停から家までの道を歩いていると目眩がしてうなだれていたら、鼻から血がポタポタと垂れてきた。
『健康って大事だな。財産だな。』
って思った。
おばちゃんが「どうしました?大丈夫ですか?」と聞いてくれたので、
「嫁にいびられて…」
って答えようと思ったけど笑ってはくれそうになかったのでやめた。

この後のスケジュール

3週後までの診察が予定されていました。
1週目は鼻に入れられているシリコンプレートの除去処置と、切除した腫瘍の病理検査結果の報告。
2週目、3週目は経過観察だそうだ。
1週目のシリコンプレートの除去がだいぶ大きそうだな。痛みも和らぐかもしれない。今後の全快の目安は2ヶ月らしい。
ジワジワとよくなっていくのか、ぐわっと良くなってから緩やかに元通りになるのか。
それ次第で精神的な負担がだいぶ違いそう。
仕事は今週いっぱいは自宅作業ということにしてもらった。通勤片道2時間はつらすぎる。

ただ、週明けはやっておきたいMTGがあるから来てねって言われた。

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シイノキ実は退院3日後に地元のイベントに参加する予定だったのです。
無理はしないようにしようと思っていたのに、思いの外盛況で楽しくて、ちょっと無理してしまった。溶けて喉に落ちてきた綿を数個飲み込んでしまった感覚があった。
まぁ。。。大丈夫だろ。

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